本委員会は、新型コロナウィルス感染症の拡大によって生活が一変した社会において公益社団法人日本看護科学学会の定款第2条に定める「看護学の発展を図り、広く知識の交流に努め、もって人々の健康と福祉に貢献する」に基づき、このCOVID-19の状況下で何ができるのかを実践するために時限的(2~3年)な活動をすることで理事会承認により設置されました。
最初に日本看護科学学会の会員を対象に緊急事態宣言期間中の活動に関するアンケート調査を行い、現状を把握しながら進めていく予定です。
活動、調査結果、報告
研究データ公開のお知らせ:新型コロナウイルス感染症による看護学研究者の活動への影響と求める支援―WEB アンケートによる縦断調査―
この度、社会的意義や公益的な側面を考慮し、東京大学社会科学研究所附属社会調査・データアーカイブ研究センターに対し、本研究で得られたデータを匿名化処理した上で寄託しました。これにより、個票単位のデータを無償で二次利用できるようになりました。公開先のURLを下記の通りお知らせいたします。
公開先URL:
・「新型コロナウイルス感染症による日本看護科学学会(JANS)会員の研究活動への影響と学会に求める支援
に関する調査, 2020(第1回調査)」
https://ssjda.iss.u-tokyo.ac.jp/Direct/gaiyo.php?eid=1563
・「新型コロナウイルス感染症による日本看護科学学会(JANS)会員の研究活動への影響と学会に求める支援
に関する調査, 2022(第2回調査)」
https://ssjda.iss.u-tokyo.ac.jp/Direct/gaiyo.php?eid=1564
この二次利用可能データは、学術研究・教育目的の利用であり、かつ、大学又は公的研究機関の研究者、教員の指導を受けた大学院生であればご利用いただけます。ぜひともご活用いただきたくお願い申し上げます。
【データの利用対象者および利用申請について】
本データの利用対象者は、SSJデータアーカイブが定めるルールに従い、大学又は公的研究機関の研究者、
教員の指導を受けた大学院生となります。日本看護科学学会の会員でない方でも利用できます。
本データを利用するにあたっては、利用申請を行い、承認を受ける必要があります。
データ利用を希望される方は、SSJ データアーカイブのWEBサイトにある「利用の流れ」をご確認くだ
さい。
利用の流れ:https://csrda.iss.u-tokyo.ac.jp/infrastructure/access/flow.html
【ご質問などの連絡先】
寄託されたデータの利用等については、東京大学社会科学研究所附属社会調査・データアーカイブ研究
センター(SSJ データアーカイブ)にお問い合わせください。
https://csrda.iss.u-tokyo.ac.jp/infrastructure/ssjda/
この研究に関する疑問・ご質問は下記連絡先へ連絡をお願い致します。
<研究全般に関する問い合わせ先>
宮崎大学医学部看護学科 生活・基盤看護科学講座
公益社団法人 日本看護科学学会 COVID-19 看護研究等対策委員会 委員長
担当(研究代表者[情報管理者]):吉永尚紀
E-mail:naoki-y@med.miyazaki-u.ac.jp
<オプトアウトに関する連絡先>
公益社団法人 日本看護科学学会事務所
担当:有田孝行
E-mail:office@jans.or.jp
「新型コロナウイルス感染症による日本看護科学学会(JANS)会員の研究活動への影響と学会に求める支援に関する調査」報告
JANSとして今回のCOVID-19がJANS会員の研究活動に及ぼしている影響を調査し、JANS会員が緊急事態の中で研究を行うために必要な体制や支援を検討するために、本委員会では2回の会員各位へのオンラインアンケート調査を実施し、多くの会員各位にご協力をいただきました。あらためて御礼申し上げます。
本委員会では、コロナ禍による看護学研究者の活動への影響を皆様にお伝えし、情報を共有するため学会HP上で調査報告書を公開しております。
■2020年総会では以下のプログラムで報告しました。
プログラム:
司会:須釜淳子
発表1:調査趣旨と調査概要
須釜淳子(COVID-19看護研究等対策委員会)
発表2:第1回調査結果の全体の概要、若手とシニアでの違い
吉永尚紀(COVID-19看護研究等対策委員会)
発表3:教員の研究活動に与える影響と背景要因
仲上豪二朗(COVID-19看護研究等対策委員会)
■第44回日本看護科学学会学術集会(2024年12月7日)では以下の交流集会で報告しました。
研究・学術推進委員会との合同企画として、
「COVID-19看護研究等対策委員会の活動に基づく研究成果から考える研究・学術推進」
と題した交流集会を開催しました。
当日のスライドならびに総合討論の概要は以下からご覧いただけます。
交流集会_発表スライドと総合討論の概要
新型コロナウイルス感染症による日本看護科学学会(JANS)会員の研究活動への影響と学会に求める支援に関する調査
第1回調査(調査期間:2020年7月1日から8月10日,参加会員数:1,532名)
Survey Report (ver.5) Updated on December 18, 2023
第2回調査(調査期間:2022年3月1日から3月31日,参加会員数:899名)
Survey Report (ver.2) Updated on December 18, 2023
「新型コロナウイルス感染症による看護学研究者の活動への影響と求める支援
―WEB アンケートによる縦断調査―」にご参加いただいた皆様へ
【学術研究・教育目的のデータ利用に関する方針変更のお知らせ】
公益社団法人 日本看護科学学会の活動の一環で実施された下記の研究(研究代表機関:宮崎大学医学部看護学科)において、データ利用に関する研究計画書を変更することになりましたので、お知らせします。
本研究は、社会的意義や公益的な側面を考慮し、下記の通り、東京大学社会科学研究所附属社会調査・データアーカイブ研究センターに対し、個人が特定されない状態(匿名化)にした上で、データを提供することになりました。これにより、学術研究・教育目的に限定したデータの二次利用が可能となります。なお、本件の変更については宮崎大学医学部の倫理委員会の承認を得ております(O-0733)。
皆様には本研究の趣旨をご理解頂き、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
研究課題名:「新型コロナウイルス感染症による看護学研究者の活動への影響と求める支援―WEB アンケートによる縦断調査―」
1.研究の目的や概要について
この調査は、「公益社団法人 日本看護科学学会の会員が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって看護学研究者のどのように影響を受けているかを把握し、今後、学会としての支援を検討すること」を目的として、同学会 COVID-19 看護研究等対策委員会(委員長:須釜淳子)の
活動として実施された調査です。
アンケート調査は、2020 年 7 月 1 日から 8 月 10 日、2022 年 3 月 1 日から 3 月 31 日の2 回実施され、調査報告書は日本看護科学学会のウェブサイト(委員会ページ)に掲載されています。https://www.jans.or.jp/modules/committee/index.php?content_id=81
2. 研究期間について
この研究は、2020 年6月29日~2024年 3 月 31 日にかけて実施されます。
3. 対象者
提供する情報の対象となるのは、日本看護科学学会会員で「新型コロナウイルス感染症による看護学研究者の活動への影響と求める支援―WEB アンケートによる縦断調査―」のアンケート調査にご回答頂いた方となります。
4. 提供する情報の内容
対象となる方について、下記の内容の情報を、学術研究・教育目的で利用する場合に提供します。
提供する際は、対象となる方のプライバシーを保護するため、個人情報などは数字や記号に置き換えて提供いたします。
<提供する情報について>
・ 提供する情報は、アンケート調査のうち、選択式で回答頂いた質問に限ります。
・ 提供する情報に含まれる個人情報は、どの研究対象者の回答データかが直ちに判別できないよう加工したものに限ります。
・ 個人を特定しうる可能性がある自由回答の記述は、提供データには含まれません。
<提供する機関について>
本研究データは、匿名化されたデータを学術研究・教育目的で利用するための機関である下記に提供します。
・ 提供先施設の名称:東京大学社会科学研究所附属社会調査・データアーカイブ研究センター
(SSJ データアーカイブ)※1
・ 当該施設の責任者の氏名:センター長 玄田有史
・ 提供する情報の種類:アンケート調査のデータ ※2
※1:SSJ データアーカイブとは
東京大学内に設立されている機関で、労働調査、社会調査の個票データ(個々の調査票の記入内容。マイクロデータ)を収集・保管し、その散逸を防ぐとともに、学術目的での二次的な利用のために提供する機関です。
https://csrda.iss.u-tokyo.ac.jp/infrastructure/ssjda/
※2:アンケートの調査データについて
アンケート調査実施時の調査票は、日本看護科学学会のウェブサイトでご確認いただけます。
https://www.jans.or.jp/modules/committee/index.php?content_id=81
5. データの提供を拒否されたい場合
・ この調査でご回答頂いたデータについて、SSJ データアーカイブおよび今後の二次利用を拒否されたい場合は、<オプトアウトに関する連絡先>にある日本看護科学学会事務所まで遠慮なくお申し出ください。
・ 申し出があった場合は、会員番号と被験者 ID の対応表を管理する日本看護学会事務所で、申し出のあった方の被験者 ID を特定し、その ID のみを研究代表者(情報管理者)に伝えるため、どなたが拒否をされたのかは研究者には分からないようになっています。その後、研究者の方で該当者のデータを削除したうえで、今回のデータ提供を行います。
・ ただし、データ解析後、もしくは学会等で発表後はデータを除くことができない場合もあります。
6. ご質問などの連絡先
この研究に関して疑問、質問があった場合は下記連絡先へ連絡をお願い致します。
<研究全般に関する問い合わせ先>
宮崎大学医学部看護学科 生活・基盤看護科学講座
公益社団法人 日本看護科学学会 COVID-19 看護研究等対策委員会 委員
担当(研究代表者[情報管理者]):吉永尚紀
E-mail:naoki-y@med.miyazaki-u.ac.jp
<オプトアウトに関する連絡先>
公益社団法人 日本看護科学学会事務所
担当:有田孝行
E-mail:office@jans.or.jp
取得済み調査データの分析・論文執筆を行う学会主導型研究プロジェクト(指定課題型・自由課題型)
日本看護科学学会では、「新型コロナウイルス感染症による日本看護科学学会(JANS)会員の研究活動への影響と学会に求める支援に関する調査」で得られたデータについて、分析および論文執筆を行う研究参加者を募集しました。本調査で得られたデータは、オープンソース化することを前提として取得したものではなく、このデータ自体をオープンソース化することはできないため、分担研究としての枠組みで行います。第1期では指定課題型2件と自由課題型4件が、第2期では自由課題型4件が採択され、研究班として新しい知見の創出に取り組んでいます。なお、本プロジェクトは、第1回調査(調査期間:2020年7月1日から8月10日)と第2回調査(2022 年 3 月 1 日から 3 月 31 日)の取得データを用いて、様々な観点からの研究目的に基づき分析を行うものです。各研究班の分析結果を学会発表あるいは論文投稿するにあたっては、重複出版・サラミ出版とならないよう、本委員会委員ならびに研究班全体で十分な議論を行うとともに、医学雑誌編集者国際委員会(International Committee of Medical Journal Editors:ICMJE)の推奨に従うなど、細心の注意を払ってまいります。
プロジェクトメンバー(第1期)
役割 | 氏名 | 所属 |
---|---|---|
指定課題型①代表 | 加澤 佳奈 | 広島大学 |
新福 洋子 | 広島大学 | |
指定課題型②代表 | 田中 浩二 | 金沢大学 |
浅田 優也 | 金沢大学 | |
長田 恭子 | 金沢大学 | |
高橋 裕太朗 | 金沢大学 | |
自由課題型①代表 | 井上 円 | 宮崎大学, Curtin University, Kagawa Nutrition University, Royal Perth Hospital |
東平 日出夫 | 宮崎大学, Curtin University, The University of Western Australia | |
松原 まなみ | 関西国際大学 | |
自由課題型②代表 | 竹内 文乃 | 中央大学 |
横田 慎一郎 | 東京大学 | |
友滝 愛 | 東海大学 | |
自由課題型③代表 | 天野 薫 | 聖隷クリストファー大学 |
森本 浩史 | 名古屋市立大学 | |
渡邉 梨央 | 名古屋市立大学 | |
佐藤 浩二 | 刈谷豊田総合病院 | |
自由課題型④代表 | 李 錦純 | 関西医科大学 |
酒井 ひろ子 | 関西医科大学 | |
川嵜 有紀 | 関西医科大学 | |
髙橋 芙沙子 | 関西医科大学 |
プロジェクトメンバー(第2期)
役割 | 氏名 | 所属 |
---|---|---|
自由課題型①代表 | 三苫 美和 | 兵庫医科大学 |
自由課題型②代表 | 大橋 渉 | 愛知医科大学 |
谷口 千枝 | 愛知医科大学 | |
佐藤 優子 | 四日市看護医療大学 | |
自由課題型③代表 | 原 あずみ | 日本赤十字看護大学さいたま看護学部 |
自由課題型④代表 | 永井 智子 | 目白大学 |
佐々木 綾花 | 目白大学 | |
安斎 ひとみ | 目白大学 |
公表論文
- Yoshinaga N, Nakagami G, Fukahori H, Shimpuku Y, Sanada H, Sugama J.
Initial impact of the COVID-19 pandemic on time Japanese nursing faculty devote to research: Cross-sectional survey.
Japan Journal of Nursing Science. 2022;19(1):e12454. - 天野薫, 森本浩史, 渡邉梨央, 佐藤浩二, 深堀浩樹, 新福洋子, 吉永尚紀.
COVID-19拡大状況下における看護研究活動の阻害要因と促進要因の探索
日本看護科学会誌. 2021;41:656-664. - Kazawa K, Shimpuku Y, Yoshinaga N.
Characteritics of early-career nurse researchers negatively impacted during the COVID-19 pandemic: a cross-sectional study.
BMJ Open. 2022;12:e059331 - Inoue M, Tohira H, Yoshinaga N, Matsubara M.
Propensity‐matched comparisons of factors negatively affecting research activities during the COVID‐19 pandemic between nursing researchers working in academic and clinical settings in Japan
Japan Journal of Nursing Science. 2022;19(4):e12491 - Takeuchi A, Yokota S, Tomotaki A, Fukahori H, Shimpuku Y, Yoshinaga N.
Relationship between research activities and individual factors among Japanese nursing researchers during the COVID-19 pandemic.
PLOS ONE. 2022;17(8):e0271001. - Nagata K, Tanaka K, Takahashi Y, Asada Y, Shimpuku Y, Yoshinaga N, Sugama J.
Support nursing researchers' need from academic societies during COVID-19: A cross-sectional survey
Nursing and Health Sciences. 2022;24(4):871-881 - Inoue M, Fukahori H, Matsubara M, Yoshinaga N, Tohira H.
Latent Dirichlet allocation topic modeling of free-text responses exploring the negative impact of the early COVID-19 pandemic on research in nursing.
Japan Journal of Nursing Science. 2023;20(2):e12520 - Lee K, Takahashi F, Kawasaki Y, Yoshinaga N, Sakai H.
Prediction models for the impact of the COVID-19 pandemic on research activities of Japanese nursing researchers using deep learning
Japan Journal of Nursing Science. 2023;20(3):e12529 - Mitoma M, Tanaka M, Shimpuku Y, Yokota S, Yoshinaga N.
Nursing researchers’ concern about research activities during the COVID-19 pandemic: A secondary analysis of longitudinal survey data in Japan
Research in Nursing and Health. 2024;47(5):522-531. -
原あずみ, 池田真理, 深堀浩樹, 加澤佳奈, 吉永尚紀.
COVID-19拡大状況下における看護系大学教員の研究活動上の肯定的変化:Web調査の自由記述の質的内容分析.
日本看護科学会誌. 2024;44:442-451.