日本看護科学学会

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委員会活動

若手研究推進活動

更新日時:2023年12月15日

2023年度

第43回日本看護科学学会学術集会 交流集会の企画運営

テーマ

若手研究者がともに拓く未来~論文執筆からアクセプトまでの経験知を共有しよう~

内容

 2023年12月9日~10日に山口県下関市で開催された学術集会において、若手研究者活動推進委員会主催の交流集会を行いました。
 第1部では、若手の会エリアコーディネーターをされている椿美智博先生に、「論文執筆における経験知の共有~論文アクセプトに向けた研究者のマインドセット」と題して、ジャーナルの選択、論文の書き方等、若手研究者の関心に迫る内容をご講演いただきました。
 第2部では、グループディスカッションを通して、研究活動に関する経験知を参加者の皆様と共有しました。
 終了後のアンケートでは、「講演された先生のマインドが大変刺激になり、論文執筆へのモチベーションや意欲が湧いた」「論文投稿にあたって不安だったことを確認できた」「若手研究者の交流が励みになり、また学会に参加したいと思った」「2時間くらいほしい集会だった。非常に有意義だった」等のご意見・ご感想をお寄せいただきました。
 若手研究者活動推進委員会では、若手研究者が看護学の発展に資する協働的パートナーシップを築いていけるよう、今後も活動を展開していきたいと思います。

企画・運営メンバー、ご参加くださった皆様とともに

2018年度

JANS若手研究推進委員会 エリア・コーディネーター検討会
「若手研究者からの提案―未来の看護学および学術のあり方について」

若手研究推進委員会

 2014年に発足した「若手研究推進委員会」は、JANSの若手研究者の活動支援を中心に運営を進めている。2016年度には全国の若手研究者をつなぐことを目的に、地域ネットワーク構築を担う人材を育成するための「エリア・コーディネーター」制度を設けた。当初数名であったエリア・コーディネーター(以下ACとする)は、2018年度現在全国に25名となり、学術集会での交流集会や若手サロン活動を担い、各エリアでのミーティングが開催される等、その存在や活動が着実に広がってきている。その全国規模での検討会が、2019年3月29日に東京で開催され、AC14名、前委員2名、現委員7名の23名で「未来の看護学および学術のあり方」について、3時間議論を交わした。看護学の発展にむけて、『世代を超え、地域を超え、職場を超え』というテーマが導きだされ、大きく5点の指針が提案された。

【指針】

看護学のあるべき方向性を常に考え創り、学術界・社会へ継続的に発信する体制づくり

研究者・教育者・実践者としての評価枠組みを作成し、大学・臨床いずれでも使える仕組みの構築と実現

ジェネラリストとスペシャリストが共存できる大学の在り方や大学教育の抜本的改革

臨床と大学という組織の垣根を外し、自由に所属を往来できる仕組みづくり

新しい取り組み、意義深い研究に積極的に予算をつけるフレキシブルな支援

【指針の背景となる議論】

看護学が目指すところが明確になっていない、あるいは共有できていないことが危惧される。類似の研究が多くなされており、学問としての多様性・新規性を実現するために、他分野との積極的な交流がより一層必要である。一方で、看護学の中を見てみると領域ごとに細分化される傾向が強くなっている。看護学の強みは、生活に根差した人の体験を切り分けることなく、心身統合的に学問として扱うことができる点であり、それを社会に発信していく必要がある。そのためには、領域別の細分化ではない新たな分類を、例えば、学術集会などで示していくことを提案したい。

未来の看護学を発展させるためには、それを担う人材の育成が不可欠である。しかし、昨今の看護系大学の急増に伴い、大学教員不足・実習施設不足が慢性化しており、少ない人数で複数の施設を担当するなど、深刻な状況となっている。臨地実習を担う若手教員には特に負担が大きくなっている。そのような状況の中で、研究に取り組み成果を形にすることが要請される難しさがある。一方、臨床に属する実践家・研究者は研究費の獲得も難しく自費での研究になることが多い。また、研究を行い実践に還元しても、臨床においては評価の対象とならないこともあり、実践家である研究者が育ちにくい環境になっている。多様な環境の中で生み出される各々の成果が、正当に評価され、若手研究者の成長や活動の促進に繋げることが必要である。

そこで、大学・臨床において研究・教育・実践に取り組むにあたり、それらを評価する組織横断的な全国共通の枠組みの構築が必要である。これまでも個々の組織で評価枠組みがあったと思われるが、組織内に留まらない活動を促進するためにも、臨床と大学で共通した評価枠組みの構築が必要である。加えて、臨床での研究が実現するためには、研究を役割とする病院や、臨床にいても研究のための資金が得られるシステムを作っていくことが必要であると考える。

全国に看護系大学が250校を超える現状である。どの大学でも教育・研究・実践、そして社会貢献を行うことに重きを置いているが、内実は教育に多くの時間を取られ、研究はプライベートの時間に実施していることが多い。理想的には一人の教員が、すべてを実践できることが望ましいが、より個々の特性を活かしながら教育も研究も看護学として発展していくためには、分業化を戦略的に行っていく必要がある。研究を中心に行う組織、教育に注力する組織という風に、組織ごとに特色を打ち出していき、それを自らの強みに合わせて選び取っていくなど、大学の在り方を抜本的に変えていく時期に来ていると考える。まずは、段階的に大学内のポストを研究寄り・教育寄りに分け、研究ノルマや実習配分などを傾斜的に配分するなどの取り組みが可能であると思われる。

 大学教育の方法についても検討する必要がある。例えば、国土の広い他国で、大人数が看護学を学んでいる大学などは、オンラインで一斉に授業をネット上で提供しており、学生はそれを自由な時間で学び、必要最低限の修学になっている。日本では、個々の大学で授業を実施しているが学びの仕組み自体も変えていく必要があるのではないか。

臨床と大学との協働の必要性が唱えられているが、その実現のためには具体的な仕組みを作る必要がある。例えば、出向制度を設け大学から病院に一定期間所属し、自身の研究や、院内研究の指導、臨地実習指導者の育成、最新の臨床状況を学んだり、逆に臨床から大学に来て学生指導をしながら、リサーチナースとしての学習を重ねたり、一般教養や看護系大学院科目の履修をするなどである。またクロスアポイントメント制度を導入するなど、一箇所だけに所属するという従来の考え方を刷新していくことも求められている。このような仕組みを促進していくために、修士卒の看護師を10名以上雇用していたら点数が付くなど、資金面で臨床にとってもメリットになるような制度があるとよい。このような変革により、協働というよりも同じ看護学のもとにある者としての意識が形成されることも期待される。

AIなどを導入し、看護実践そのものを組みかえるようなシステムを構築する。現場では電子カルテへの入力などは看護師が手作業で実施しているが、それらを映像記録などから文字化することで、看護師の業務を減らし、人間でなければできないケア実践に注力できるようにする。メジャーなテーマに研究が集中しがちであるが、数年、数十年後に結実するようなタイプの研究であっても研究費を獲得できるような、研究支援体制が必要である。

その他提案

実践から研究の知見を集めていく為にも、実践者に限定した助成金を作り、臨床の研究レベルを上げていく必要がある。

領域にこだわりすぎているので、垣根を越えていけるように、我々の在り方・乗り越え方がもとめられている。例えば、JANS学術集会で研究発表とは異なる、自身の研究PRをして、資金や仲間をみつけるコーナーをつくることや、若手の会・オフ会などでつながりを作り、領域・組織・地域を超えたつながりをつくる取り組みを実施する。

若手の育成と共に、育成に携わるシニア世代のサポート、若手とシニアとの有機的でフラット(フェア)な関係づくりも並行して実施する。

以上、本報告は旧若手研究推進委員会(西村ユミ委員長)が取りまとめたものである。

なお、若手研究推進委員会は、2019年6月より若手研究者活動推進委員会に名称を変更し活動を継続している。

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