言語
国語はフィリピノ語、公用語はフィリピノ語と英語。80前後の言語がある。
(「外務省 フィリピン」)
民族
マレー系が主体。他に中国系、スペイン系、及びこれらとの混血、更に少数民族がいる。(「外務省 フィリピン」)
宗教
国民の83%がカトリック、その他のキリスト教が10%、イスラム教は5%。
(「外務省 フィリピン」)
食文化のタブーなど
- フィリピン料理は、アジアのいくつかの国の食文化が交じり合い、さらにスペイン料理、中国料理、アメリカ料理などから強い影響を受けフィリピン流にアレンジされており、東南アジア諸国の料理と共通するものがあったりもする。他の東南アジア諸国の料理と比べると、辛さがそれほどでもなく、タマリンド、カミアス、カラマンシー等の酸っぱさや、ココナッツミルクや椰子糖の独特の甘さ、それに酢やパティス(魚醤)を使うのが特徴。主食は米だが、お米は日本に比べてパサパサしている。白いご飯におかずをのせて食べるか、もしくはご飯におかずを混ぜこんで食べるハロハロ料理がフィリピンスタイル。そうした食事に欠かせないのが、魚などが入った酸っぱいスィニガン・スープで日本の味噌汁みたいなご飯の友。おかずとなる副食も、ビーフ・タパという牛肉の漬け焼きやレリエノン・タロンというナスのひき肉づめオムレツ、チョプスイという中華風の八宝菜など。
(「海外移住・ロングステイ情報」) - 生水は飲まない
(「JOMF 海外邦人医療基金 JAPAN OVERSEAS MEDICAL FUND」) - 人差し指で人を指したりしない。フィリピン人は人前で怒られることを特別嫌がるので怒っても大きな声を出さない。
(「OTOA 社会法人 日本海外ツアーオペレーター協会」)
その他の風習・文化
- 国民の8割以上がカトリック教徒で、昔ながらの信仰心も厚く"フィリピノ・ホスピタリティ"という言葉があるほど、他人との円滑な人間関係を大切にする。誰にでも極めて親切で、笑みを絶やさず、日本人と同様「義理」や「恩」といった感情ももっている。
- フィリピン国内には、ユネスコの世界遺産リストに登録された文化遺産が3件、自然遺産が2件ある。フィリピン武術(エスクリマまたはカリと呼ばれる)が国技である。
フィリピンではおやつのことを「マリエンダ(メリエンダ)」と呼ぶが、特に"3時のおやつ(時間的には3~4時)"が大事にされている。おやつといっても一品料理で通用するメニューで、スナック菓子ではない。 - 女性は姉妹、母といっしょに寝る。
(「Care the World 海外出産・子育て情報ネット 世界の子育て」)
風俗、習慣、健康等
1.風俗、習慣
公衆の面前で誰かを罵倒する、恥をかかせるといった行為は絶対にしないよう心がけなければならない。たとえ、家族に対するものであっても、暴力的な言動は嫌悪される。
2.健康
飲食:水道水は、水道管や貯水タンクの汚れ、汚物の混入等により、大腸菌等に汚染されている可能性があるので、注意する必要がある。
注意を要する病気:全土で経口伝染病が季節に関係なく発生している。特に、腸チフス、細菌性及びアメーバ赤痢、A型肝炎等が広範に発生している。そのほか、注意すべき感染症としては、デング熱、マラリア、住血吸虫症、鳥インフルエンザ等が挙げられる。
- デング熱
デング熱は、年間を通じてフィリピン全土で発生している。デング熱は病原菌ウィルスを持ったネッタイシマカ又はヒトスジシマカ等に刺されることによって感染するが、予防薬はないので、蚊に刺されないよう、十分な防虫対策を行う必要がある。 - マラリア
パラワン島、カガヤン峡谷、ミンドロ島、スルー諸島及びミンダナオ島の一部の地域において感染例が認められている。特にパラワン島は、薬剤耐性熱帯熱マラリアの濃厚感染地帯なので注意が必要。 - 住血吸虫症
国土の10分の1が流行地域と言われており、池、湖沼、河川等淡水での作業・水遊び等は住血吸虫症感染の危険がある。 - 鳥インフルエンザ(H5N1)
2012年4月現在、フィリピン国内で鳥インフルエンザ(H5N1)の感染例は認められていないが、世界各地、特にアジア地域で感染例が多く認められることから、予防を心がける必要がある。 - その他
定期的に麻疹(はしか)の大流行があり、また、結核患者が多い。また、都市部では、大気汚染や室内の強い冷房等により、呼吸器感染症(風邪、咽頭炎、副鼻腔炎、気管支炎等)を繰り返す人も多い。
(外務省 海外安全ホームページ)
妊娠・出産に関する風習
- 赤ちゃんが転がって逆子になるから紐をまたがない
- へその緒が赤ちゃんの首に巻かれるから、肩や首にものを巻かない
- 月夜は悪い影響があるので、帽子をかぶって外出する
- 妊娠8ヶ月を過ぎるまでは赤ちゃんのものを買い揃えない
- 安産のために若いココナッツジュースを妊娠後期に飲む、ココナッツオイルで乳房のマッサージをする。
(「世界のお産」)
育児に関する風習
母乳は4歳になるまで与えることもある。
(「Care the World 海外出産・子育てネット」)
医療に関するタブーなど
- 人口の85%がカトリックのフィリピンでは、人工的な避妊への反発が少なからず見られる。
(「JANJAN」) - マニラやセブ、ダバオなどの大都市における医療機関は整備されており、国公立の総合病院や私立の総合病院が数多くある。私立病院は、先進国と同じシステムで、救急部と病棟、検査部などは病院の職員だが、外来部はそれぞれの医師が開業している。
(「海外移住・ロングステイ情報」) - フィリピンは衛生状態が悪いこともあり、感染症も流行しがちで。コレラや腸チフス、マラリアなど日本にはない病気もある。
(「海外移住・ロングステイ情報」)
母乳育児
- 母乳保育ではなく人工乳での保育が一般的である。
- あざみ、コンフリー、ういきょうをまぜたミルクティーが催乳物質と言われている。
(「母乳育児の文化と真実」 ナオミ・ポームスラグ ダイヤ・L・ミッチェルズ著 2003年メディカ出版発行)
教育
6年間の義務無償教育、4年間の中等教育(公立では無償)がある。就学率は初等教育99%、中等教育59%(ともに1994)であるが、地域によっては途中退学する子も多い。識字率(10歳以上人口)は、男93.7% 女94.0%(1994)
「世界の公衆衛生体系」1999年 財団法人日本公衆衛生協会
国家保健・医療
- 1991年に大きく地方の保健医療システムが変わり、州や市・町が大きな権限を持つようになった。保健省地方保健局(16ヶ所)、州保健局と市・庁保健課の間では技術指導、調整義務を行うのみとなっている。
- 保健省は中央政府機関として1.国家的政策 2.ナショナルスタンダードの設定 3.監視及び評価 4.研究 5.財源の確保 6.技術援助 7.他省庁との調整等を行っている。
- 中規模以上の町では中心地に民間病院があるが、収入によって医療の量・質が左右されるのが現状である。
「世界の公衆衛生体系」1999年 財団法人日本公衆衛生協会
死因
(1994)
1位:心疾患(15.7%)
2位:循環系疾患(12.2%)
3位:肺炎(8.8%)
4位:悪性新生物(8.7%)
5位:結核(8.5%)
「世界の公衆衛生体系」1999年 財団法人日本公衆衛生協会
出産について
妊産婦死亡率が(出生10万対)180(1998)で低下傾向。
「世界の公衆衛生体系」1999年 財団法人日本公衆衛生協会
予防接種
BCG:84
DTP1:85
DTP3:80
B型肝炎:76
Hib:14
麻疹:79
破傷風:76
ポリオ:80
(2011)(WHO)
医療施設
- 国立病院(48)
- 専門病院(4)
- 特別病院(6)
- 研究病院(2)
- 地域拠点病院(16)
- 地域病院(9)
- 地区病院(3)
- 療養所(8)
- 自治体病院(504)
- 政府関連機関病院(39)
- 民間病院(1111)
◎3分の一が首都に集中している
( )内は数
「世界の公衆衛生体系」1999年 財団法人日本公衆衛生協会
医療職種
- 医師
- 歯科医師
- 助産師
- 看護師
- 保健師
- 検査技師
- 薬剤師
- 栄養士
- 准看護師兼助産師
- 理学療法士
- 放射線技師
- 伝統的産婆
◎海外の方が高収入であるため医師・看護師の約半分が海外で就労しているといわれている。
「世界の公衆衛生体系」1999年 財団法人日本公衆衛生協会
合計特殊出生率
3.1 (2010)(WHO)
乳児死亡率
(出生千対)
23 (2010)(WHO)
平均寿命
男:67 (2009)(WHO)
女:73 (2009)(WHO)