日本看護科学学会

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委員会活動

オーストラリア / Australia / Commonwealth of Australia - 異文化看護データベース

更新日時:2019年3月14日

言語

英語(外務省HP

民族

少数の先住民アボリジニとアングロサクソン系等欧州人が中心(外務省)・ヨーロッパからの移民のうち、オーストラリアにインパクトを与えてきたインパクトの強度の点では、ドイツ系、ギリシャ系、イタリア系、ユダヤ系、ポーランド系、オランダ系、マルタ島系等が上げられる。
「オーストラリアを知るための55章」 越智道雄

宗教

約7割がキリスト教徒{(カトリック27.0%)(英国国教会22.0%)(ユニタリアン7.5%)(長老教会3.8%)(ギリシャ正教2.8%)(バプティスト1.7%)(ルーテル教会1.4%)(その他4.7%)}非キリスト教{(イスラム教1.1%)(仏教1.1%)(ユダヤ教0.4%)(その他0.8%)}無宗16.6%、不明9.0%
「世界の公衆衛生体系」1999年 財団法人日本公衆衛生協会

その他の風習・文化

  • オーストラリアは異文化の共存を唱える文化多元主義である。
  • 自分が世間にどうみられているか気にしてばかりいては、個性を創り出せないという考え方の人が多い。

「オーストラリアを知るための55章」越智道雄 2005年 明石書店

風俗、習慣、健康等

1.オーストラリアでは、メイトシップと呼ばれる平等主義がひとつの社会規範となっています。そうした無階級性や社会的平等意識がたいへんに強い国民であることに留意する必要があります。

2.オーストラリアでは、公衆の集まる施設内等での喫煙は限定された特別な場所以外は禁止されています。喫煙禁止場所の範囲や、禁止場所での喫煙に対する刑罰は州によって異なりますので注意が必要です。

3.オーストラリア内の主要都市では医療機関が発達しており、日本のレベルと比較しても遜色ありません。ドクター・ヘリ等救急医療体制もしっかりとしています。 一方、地域によっては、医療費が高額な所もありますので、海外旅行保険への加入をお勧めします。

4.1年を通じて花が咲き乱れ、日本にはないものを含めいろいろな種類の花粉が舞っているので、少なくともいわゆる花粉症の人や花粉アレルギーのある人は、あらかじめ対策を講じておくことが必要です。また、冬から春の季節は、1日のうちでも気候や気温の変化がたいへん激しく、風邪をひきやすいので注意が必要です。

(外務省海外安全ホームページ)

妊娠・出産に関する風習

オーストラリアも、出産の主流は病院分娩であるが、助産婦がお産を介助するバース・センターや、自宅出産も行われている。バースセンターというのは、日本で言えば助産院にあたり、助産婦が運営する出産施設である。しかし日本の助産院のように、助産婦の自宅というわけではなく、何人かの助産婦が交代で勤務している。分娩台がないので、産婦はベットの上でも、床の上でも好きな場所で、自由な姿勢で出産することができます。
大きめのお風呂があるバース・センターでは水中出産をすることも可能である。バースセンターで出産した場合はすぐ家に返してくれ、病院だと3日間経過をみる。しかしバースセンターからすぐ戻っても1週間は毎日助産婦が自宅に往診してくれるのでとても心強い。
世界の分娩室から

育児に関する風習

  • 病院の通訳サービス:多人種、多民族のオーストラリアでは病気になって一番困るドクターとのコミュニケーション改善に通訳サービスを徹底させている。全国電話通訳サービス、連邦政府の電話通訳サービス、私立病院への出張通訳サービス、公立病院でも一部通訳サービスを設置している。
  • 子育てサポートシステムがしっかりしているオーストラリア。赤ちゃんが生まれるとすぐ地域のコミュニティーセンターにまず登録すると子どもの年齢にあった育児グループを紹介してくれ、そこでは専門家からアドバイスを受けられる。
    (Care The World 海外出産・子育て情報ネット 世界の子育て)
  • 生後12ヶ月未満の乳児は炎天下の移動を避けること。外出時は帽子や洋服で体全体を包むこと。帽子は8cm以上のつばの広いもので、耳の後ろから肩までの覆いのついたものをかぶること。また、無帽で校庭や園庭に出るときは屋根のある歩道を歩くこと。
  • 長袖のシャツを着ること。
  • 11時~15時の日中の外遊びを避けること。(紫外線の60%はこの4時間に集中しているから)
  • 子どももサングラスを着用すること。安全規格EPF10は紫外線を100%防ぐ基準値である。
  • 日焼け止めクリームはSPF最低15以上を18歳まで定期的に使用すること。

「多文化子育て」山岡テイ 2007年 学習研究社

教育

義務教育は、州によってバリエーションはあるが、初等教育、及び中等教育の一部であり、年齢的には6-15歳である。中等教育の後半(第11、12学年)は高等教育機関への進学準備過程となっていて、課程終了時の成績によって高等教育機関進学得点値が算出され、進学可能な大学や学部が限定される。従って、各大学ごとの入学試験はない。
「世界の公衆衛生体系」1999年 財団法人日本公衆衛生協会

国家保健・医療

オーストラリアは連邦制をとっており、連邦政府と6州および2準州政府、約900の地方政府より成り立っている。保健医療に関しては州政府が主たる役割を果たすとされているが、近年連邦政府の役割が拡大している。地域保健センターでは、ヘルスプロモーション事業、予防接種などの疾病予防対策、がん検診などのスクリーニング事業、精神保健事業、リハビリテーション事業など、地域に密着した保健活動が行われている。
「世界の公衆衛生体系」1999年 財団法人日本公衆衛生協会

死因

1996年度の5大死因は、虚血性心疾患、脳血管疾患(脳卒中)、肺がん、慢性閉塞性肺疾患、結腸直腸がんであった。 これらに男性では前立腺がん、女性では乳がんを加えた7大疾患による死亡は、1996年の全死亡のおよそ7割を占めている。
「世界の公衆衛生体系」1999年 財団法人日本公衆衛生協会

出産について

出生数は、253,834人で、出生率(人口1,000対)は13,9である。
「世界の公衆衛生体系」1999年 財団法人日本公衆衛生協会

予防接種

DTP1:92
DTP3:92
B型肝炎:92
Hib:92
麻疹:94
ポリオ:92

(2011)(WHO)

医療施設

  • 公立病院:オーストラリア医療の中心的役割を果たしており、入院医療に加え、救急・事故等の外来診療や、在宅への往診などのサービスも行う。州政府を通じた補助金により運営されいる。
  • 民間病院:州政府からの補助金を受けない病院。約60%が宗教団体や慈善団体等により運営される非営利組織で、約40%が利益を目的とした営利組織によって運営されている。小規模の施設が多く、約半分が50床以下であり、比較的軽度の患者を扱うが、近年ICUや救急医療等のより高度な医療を行う施設が増加している。
  • ナーシングホーム:主として高齢で長期慢性期ケアを必要とするものが入院しており、その他非高齢身体障害者や精神障害を持つ者も入院している。

「世界の公衆衛生体系」1999年 財団法人日本公衆衛生協会

医療職種

医師(一般医、専門医)、歯科医師、看護師(正看護師、准看護師)
「世界の公衆衛生体系」1999年 財団法人日本公衆衛生協会

合計特殊出生率

1.9 (2010) (WHO)

乳児死亡率(出生千対)

4 (2010) (WHO)

平均寿命

男:80 (2009)(WHO)
女:84 (2009)(WHO)

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