日本看護科学学会

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学会の概要

日本看護科学学会科学者の行動規範

更新日時:2019年6月20日

公益社団法人日本看護科学学会(以下「本会」という)会員は、本会の目的に則り、看護学の発展を図り、広く知識の交流に努め、もって人々の健康と福祉に貢献できるよう最善の努力を行なう。
また会員は、看護専門職業人として日本看護協会が制定した看護師の実践上の行動指針「看護者の倫理綱領」(2003)、ならびに世界医師会が制定した人を対象とする医学研究の倫理的原則「ヘルシンキ宣言」を遵守することが求められる。

さらに会員は、看護学研究に携わるものとして、学問の自由の下に、自らの専門的な判断により真理を探究するという権利を享受するとともに、専門家として社会の負託に応える重大な責務を有する。本会では、会員が社会に対する説明責任を果たし、科学と社会の健全な関係の構築と維持に自覚的に参画すると同時に、その行動を自ら厳正に律するための倫理規範を明示するものとする。

この行動規範は平成18年10月3日に出された日本学術会議の声明「科学者の行動規範」を参照して作られたものである。

(科学者の責任)
1 会員は、自らが生み出す看護学の専門知識や技術の質を担保とする責任を有し、さらに自らの専門知識、技術、経験を活かして、人類の健康と福祉、社会の安全と安寧、そして地球環境の持続性に貢献するという責任を有する。

(科学者の行動)
2 会員は、科学の自律性が社会からの信頼と付託の上に成り立つことを自覚し、常に正直、誠実に判断し、行動する。また、科学研究によって生み出される知の正確さや正当性を、科学的に示す最善の努力をすると共に、科学者コミュニティ、特に看護学領域における科学者相互の評価に積極的に参加する。

(自己の研鑽)
3 会員は自らの専門知識・能力の維持向上に努めると共に、科学技術と社会・自然環境の関係を広い視野から理解し、常に最善の判断と姿勢を示すように弛まず努力する。

(説明と公開)
4 会員は、自らが携わる研究の意義と役割を公開して積極的に説明し、その研究が人間、社会、環境に及ぼし得る影響や起こし得る変化を評価し、その結果を中立性・客観性をもって公表すると共に、社会との建設的な対話を築くように努める。

(研究活動)
5 会員は、自らの研究の立案・計画・申請・実施・報告などの過程に置いて、本規範の趣旨に沿って誠実に行動する。研究・調査データの記録保存や厳正な取り扱いを徹底し、ねつ造、改ざん、盗用などの不正行為を為さず、また加担しない。

(研究環境の整備)
6 会員は、責任ある研究の実施と不正行為の防止を可能にする公正な環境の確立・維持も自らの重要な責務であることを自覚し、科学者コミュニティ及び自らの所属組織の研究環境の質的向上に積極的に取り組む。また、これを達成するために社会の理解と協力が得られるよう努める。

(法令の遵守)
7 会員は、研究の実施、研究費の使用等にあたっては、法令や関係規則を遵守する。

(研究対象などへの配慮)
8 会員は、研究への協力者の人格、人権を尊重し、福利に配慮する。動物などに対しては、真摯な態度でこれを扱う。

(他者との関係)
9 会員は、他者の成果を適切に批判すると同時に、自らの研究に対する批判には謙虚に耳を傾け、誠実な態度で意見を交える。他者の知的成果などの業績を正当に評価し、名誉や知的財産権を尊重する。

(差別の排除)
10 会員は、研究・教育・学会活動において、人種、性、地位、思想・宗教などによって個人を差別せず、科学的方法に基づき公平に対応して、個人の自由と人格を尊重する。

(利益相反)
11 会員は自らの研究、審査、評価、判断などにおいて、個人と組織、あるいは異なる組織間の利益の衝突に十分に注意を払い、公共性に配慮しつつ適切に対応する。

(研究の利用の両義性)
12 会員は自らの研究成果が、自身の意図に反して、人々の生命や生活を害し社会の安全を脅かす研究や実践に悪用される可能性もあることを認識し、研究の実施、成果の公表に当たっては、社会に許容される適切な手段と方法を選択する。

(以上)

附 則
この規範の改正は、2019年6月16日から施行する.

日本看護科学学会研究倫理審査委員会規程
研究活動に係る不正行為への対応

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