日本看護科学学会

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学会の概要

利益相反指針細則Q&A

更新日時:2019年2月27日

Q1:利益相反(Conflict of Interest : COI) とは何ですか?

A:産学連携活動などにより、本会会員や理事等の役員が、大学・医療機関等の職員として看護研究や事業を実施し、その成果を公表し社会へ還元する公的な利益と、その活動に伴い企業等の営利を目的とした団体との間で発生する私的な利益(金銭、地位、利権など)の2つの利益が研究者個人の中に同時に生じる状態をいいます。

Q2:産学連携で研究を行う場合、なぜ利益相反が問題になるのですか?

A:研究対象が人である研究を行う場合は、研究者には、人権・生命を守り安全に実施する責務があり、また研究成果の信ぴょう性を示す必要があります。一方、産学連携活動を行う場合には資金や利益提供者に対する義務も発生します。一人の研究者をめぐり、これらの義務や利害関係の衝突・対立が深刻になると、研究対象者の人権や生命の安全・安心が損なわれたり、研究の方法、データ解析、結果の解釈がゆがめられるおそれも生じます。また、適切な研究成果であるにもかかわらず、公正な評価がなされないことも起こりえます。産学連携で行われる研究は、ほとんど利益相反の可能性を内在していることから、研究対象者の人権と安全を守り、研究成果の公表やそれらの公明性と中立性を維持し、看護学や看護学実践の進歩に貢献するためにも、研究者や連携先である企業等の立場を守る意味でも、利益相反(COI) 状態を適切に管理していくことが必要です。

Q3:利益相反(COI)に関する指針の意図するところは、何ですか?

A:利益相反(COI)指針は、社会の理解と協力を得て、産学連携による看護学研究をより一層推進するために、看護学研究に携わる会員に、企業・法人組織等との経済的な利益関係を一定要件のもとに開示させ、研究の公平性と透明性を担保することによって、対象者の人権と安全を守りながら研究を評価し、社会に対する説明責任を果たすことを目的とするものです。

Q4:利益相反(COI) 状態を自己申告することに、どのようなメリットがありますか?

A:一般的に、COIに関する内容が社会問題となる場合は、所属研究機関での内部告発やマスコミからの指摘などの場合が多いのが現状です。適切かつ正確にCOI状態が申告されていれば、本会会員へのいわれなき誹謗中傷に対して、本会として適切に対応することができます。また、本会会員個人においても、適切にCOI状態を開示することで、公正な評価が得られる可能性が高まります。

Q5:研究者が所属する機関・施設で利益相反の管理を行っています。なぜ日本看護科学学会にも利益相反(COI) 状態を申告しなければならないのですか?

A:多くの本会会員がそれぞれの所属機関・施設で看護学研究を実施し、多くの場合、得られた研究成果を投稿論文や学会発表にて公表します。産学連携で行う研究は、実施と発表という2つの段階があり、それぞれに透明性、公明性が求められます。日本看護科学学会は、産学連携で行う研究の公表の場となるため、本会においても利益相反(COI) 状態の開示が求められるのです。また、本会の利益相反(COI)に関する指針と細則では、本会が行うすべての事業を対象に、これを行う本会関係者の利益相反(COI) 状態を自己申告によって開示することとしています。これにより、本会関係者の社会的・倫理的立場や責務を明確にすることを目的としています。学会において利益相反状態の管理を行うことは、自己申告した本会会員や理事等役員を保護すると同時に、本会の社会的信頼を維持することにつながります。

Q6:日本看護科学学会の利益相反(COI)に関する指針と細則を守れば、法的責任は回避できますか?

A:本指針と細則は、あくまでも学会活動の公明性、中立性を担保するために定めたものです。研究者個々人に何らかの法的責任が発生した場合に、それを回避する目的で定めたものではないため、これらに従ったからと言って法的責任を問われないわけではありません。申告内容の真偽、申告外の利益取得、申告書の保管期限経過後に発生した問題等、法的責任を問われる可能性はあります。

Q7:看護学研究の実施や発表において企業からの資金提供をしてもらうことが悪いという印象を受けます。日本看護科学学会では、産学連携の研究や活動を推奨しないということなのでしょうか。

A:産学連携は、研究成果を社会へ還元していく一つの方法として重要な活動であると認識しています。研究の推進に向けて資金提供を受けることや企業から正当な報酬を受けること自体に問題はありません。本会のような学術団体や研究者である本会会員の所属機関・施設が、利益相反状態の事実について透明性を確保し、正確に把握しておくことが重要であり、それにより産学連携の健全な推進が図られると考えています。

Q8:学会側は、申告内容の真偽を調査するのですか?

A:真偽の問題は、報告者自身の研究者としての良心や自己責任の問題であるため、原則的に調査は行いません。ただし、利益相反に関して重大なCOI状態が生じた場合、あるいはCOIの申告が不適切であると指摘された場合には、調査を行うことがあり、それに基づき改善措置等を求めることがあります。

Q9:科学研究費助成金や厚生労働科学研究費補助金など国や自治体から受けた研究費は申告の対象になりますか?

A:申告する必要はありませんが、学会誌や学術集会で発表の際に、論文の末尾(文献の前)あるいは、スライドやポスターの末尾に「謝辞」の欄を設け、助成機関名とその旨を記載してください。

Q10:申告すべき利益相反(COI) 状態は過去1年から現在までとなっています。企業や営利団体から研究助成を受けていましたが、投稿までに1年以上経過している場合、利益相反(COI) 状態を申告しなくてもいいですか?

A:試行期間では、過去1年以上経過している場合は申告の対象ではありません。ただし、完全施行の段階で、年数が見直される可能性があります。

Q11:企業や営利を目的とする団体との間に、基準をはるかに超える利益相反(COI) 状態があった場合、学術集会での発表はできないのですか?

A:たとえ高額の個人収入があった場合でも、発表ができないわけではありません。発表時に適切にCOI状態を自ら開示することによって、その発表内容の評価は参加している聴衆に委ねられることとなります。当然のことながら、発表者には、発表内容の中立性、公明性が求められます。

Q12:非会員が本会の特別講演やシンポジウム、ランチョンセミナーなどに招待された場合、日本看護科学学会の利益相反に関する指針は適用されますか?

A:指針は本会会員を対象としていますが、特別講演やシンポジウム、ランチョンセミナーなどに招待された非会員も本会の事業に参加することから、また、これら講演やシンポジウムなどの対象は本会会員であり、社会的影響力が大きいことから、会員と同様に、発表時に利益相反状態の開示が求められます。

Q13:本学会の学術集会や関連セミナー等で発表や講演を行う場合、なぜ筆頭演者のみが演題発表に関して利益相反(COI) 状態を自己申告するよう求められるのですか?

A:学会によっては、筆頭演者だけでなく、すべての連名発表者も申告対象としている場合もあります。本会では、学会発表よりも実践に影響力の大きい学会誌での論文発表については、全ての著者に対しCOI自己申告を求めています。学術集会等での発表については、今回初めての取り組みでもあり、筆頭発表者だけとしています。将来的には連名の発表者全員まで拡大する可能性もあります。

Q14:私は看護系出版社からの原稿料が100万円を超えています。学会誌での論文発表や学術集会で演題発表をする場合、会員としての申告が必要ですか?

A:学会発表・論文投稿の研究内容と関係がある場合のみ、申告が必要です。

Q15:学会誌や学術集会で発表をする場合、いつ著者や筆頭演者の利益相反(COI)状態を申告するのですか?

A:学会誌での論文発表については投稿時に、学術集会の演題発表については演題登録時にCOI自己申告書を提出してください。学会誌や学術集会で発表する際のCOI申告は、2016年度から実施します。

Q16:学術集会などで発表者が基準以上の利益相反(COI)状態があるにも関わらず、COI開示を適切に行わなかったり、虚偽の申告をした会員が社会から非難された場合、学会はどう対応するのですか?

A:適切なCOI開示が行われていない状態で、発表者の利益相反(COI)状態が深刻な社会問題となり誹謗中傷された場合、本会としては社会へ向けての説明責任を果たせず、個人の問題として対応していただくことになります。そして、重大な指針違反があると判断された場合は、その程度に応じて措置を行います。また、その問題によって本会の社会的信頼性や権威を傷つけられる結果となった場合等は、本会としてそれに応じた措置・処分を検討することになると予想されます。

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