理事長 吉沢豊予子
世界は異常気象の影響を受けており憂慮に堪えない状況です。急激な気温の変化、異常なほどの降雨量、いたるところでの地震の頻発が報告されており、私たちの生活に大きな影響を与えています。また、3年越しの新型コロナウィルス感染症にも翻弄され続けました。このような状況下においても、前を向き、立ち上がっていくのが人々の強さなのかもしれえません。
この度、2023・2024年度期 日本看護科学学会理事長を拝命いたしました関西国際大学の吉沢豊予子でございます。2年間どうぞ宜しくお願い致します。
皆様もご存じのように本学会は、長年に渡り日本の看護学を牽引し、またアンブレラ学会として、その役を担って参りました。先駆けて、看護の知を創造する、現在もその役に変わりはありませんが、ここ数年は、看護の知の具現化に力を入れてきたように思います。そして、今、知の創造と知の具現化の好循環が始まっています。さらにこの好循環を加速させるために、今期はケア開発部門を強化していきたいと思っております。このような方向性に導いてくださいましたのは、ひとえに、これまで日本看護科学学会の中枢を担ってきた歴代の理事長をはじめとする理事会の皆様、そして、日本看護科学学会の会員の皆様のお力添えの賜物と思っております。また、日本看護科学学会は、この知の創造や知の具現化を担う、人財の育成に意欲的に取り組んで参りました。今期においても、この方向性を途切れることなく継続していきたいと思っておりますので、益々のお力添えをお願い申し上げます。
さらに、デジタルトランスフォーメーション(DX)化が進み定着してきています。今後第5DX時代が到来する中で、AIと協働・連携する看護とはなにか、看護という感情労働とAIは、どんな関係にあるかなど、そこから繰り広げられるケアとは何か、常に思考する学会でありたいと思っております。
最後に、日本看護科学学会はこの時代の中でも会員が増え続け、1万人もの会員を抱える学会となりました。これは、単にマンモス化しているのではなく、アクティブ性の高い学会であることを物語っています。これからも決してサイレントな研究者集団にならないよう、常に挑戦をしていきたいと思っています。そして、看護系学会に限らず、産学官の持続的・発展的なパートナーシップの確立を求めていきたいと思っております。
これまで以上に、皆様からの忌憚のないご意見を賜り、日本看護科学学会のために尽力したいと思っております。どうぞ宜しくお願い申し上げます。
2023年7月吉日