学会の概要Overview of the society
公益社団法人日本看護科学学会の公式見解 (Yaju Y & Tsubaki H, 2019 に関して)
公益社団法人日本看護科学学会
本文書では、Yaju Y & Tsubaki H. Safety concerns with human papilloma virus immunization in Japan: Analysis and evaluation of Nagoya City‘s surveillance data for adverse events. Japan Journal of Nursing Science. 2019:16(4); 433-449.(以下、当該論文)に関する、公益社団法人日本看護科学学会(以下、本学会)の公式見解を示す。
1. 当該論文に関する疑義への対応について
当該論文の内容に関する疑義については、COPE Ethical guidelines for peer reviewers*1や、ICMJE Recommendations*2に則り、著者とその所属機関(当時)における調査・検証により明らかにする必要がある。当該論文に関する疑義について、本学会が独自に調査する権限および責任を有さないため、本学会がJJNSに対するExpression of Concern(懸念表明)の発出および論文撤回の要求等を行うことはない。
2. 当該論文の査読プロセスの再評価について
本学会では査読者や編集委員を含めず、独立性と客観性を確保した特別委員会を設置し、必要な調査・検討を実施した(2019年2月)。その結果、当該論文の査読が規程に則り適正に実施されており、査読プロセスが適切に進められたことを確認した。これにより、改ざん・捏造等の明確な研究不正は認められなかった。当該論文の利益相反開示は、当時の本学会の利益相反指針およびJJNSの投稿規程に基づき、適正に行われていた。以上から、本学会が当該論文の再評価を行う必要はないと判断している。
「2.当該論文の査読プロセスの再評価について」に誤りがあり修正しました。
正誤表は こちらです。
3. 利益相反管理に関する直近の改訂について
- 利益相反指針について
当該論文の投稿・査読・出版時の本学会の利益相反指針は、経済的利害のみに限定されていたため、非経済的利害も含めて開示対象を拡大するよう改訂し(2019年)、JJNSの投稿規程も同様に改訂(2020年)した。
- 査読プロセスについて
透明性と中立性を確保するため、著者・査読者・編集委員に広義の利益相反開示を求める申告書に切り替えた(2021年)。
4. ジャーナルの運営について
JJNSの公正性と透明性を担保するため、本年度より編集リスクマネジメント体制を整備し、利益相反や偏りの防止、編集・出版判断の透明性、一貫性の確保に努めると同時に、査読者研修の実施、外部理事の導入等、組織ガバナンスの強化にも取り組んでいる。
本学会は看護科学の発展に貢献するべく、今後も透明性と公正性を重視し、本学会およびJJNSの信頼性を一層高めるとともに、健全な学術活動を推進し、研究倫理の遵守を徹底していく。
(以上)