学会の概要Overview of the society

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理事長の挨拶

2026年 理事長挨拶

 新年を迎えるにあたり、会員の皆さまに心よりごあいさつ申し上げます。
 2025年7月に理事長を拝命し、新たな年を無事に迎えられましたことを、まずは感謝申し上げます。この半年間の学会活動について簡単にご報告するとともに、2026年の展望をお伝えいたします。
 2025年12月に新潟・朱鷺メッセで開催された第45回日本看護科学学会学術集会では、「看護科学と尊厳」をテーマに、会員・非会員・留学生を含め3,600名を超える方々にご参加いただきました。看護が担う「尊厳の実践」と、その科学的探究について、臨床・教育・研究の立場を超えた深い対話が交わされ、大きな成果を得ることができました。会長の有森直子先生(新潟大学大学院)をはじめ、ご尽力いただいたすべての皆さまに、心より御礼申し上げます。

理事長 酒井 郁子

 さて、2026年の運営方針についてご報告します。第45回学会総会では、理事長として所信表明を行いました。その概要をここで簡潔に共有いたします。
 本学会は、特定の専門分野にとどまらず、看護学全体を対象とする学術基盤です。多様な専門性や価値観が出会い、交差し、相互補完し合う場として、研究・教育・実践の知を統合し、信頼のうえに成り立つ場であると考えます。
 だからこそ、看護科学は「何のために発展するのか」という、会員全体に共有されるべき目的――すなわち共通目的(Common Purpose)をあらためて確認したいと思います。
 本会の定款第2条では、「看護学の発展を図り、広く知識の交流に努め、もって人々の健康と福祉に貢献すること」が目的とされています。
 それをさらに具体化すれば、個人・コミュニティ・地球上のあらゆる場所における生老病死が、より安寧なものとなり、人々が尊厳をもって生きられる環境を未来にわたって維持すること。そのプロセスと支援のあり方、成果を科学的に明らかにしていくことが、本学会の使命だと考えています。また、気候変動が健康と医療に及ぼす影響を重要な研究課題と位置づけ、持続可能な社会とUHC(ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ)の実現に貢献していくことも、私たちの目指す方向です。
 このような目的のもと、「自由な探究」が持続されるには、責任あるガバナンスの下で、質の高い意思決定が求められます。理事会と委員会が連携し、協働する体制を強化しつつ、財政の健全化、運営の効率化に向けたアクションを加速させています。これにより、知の創造や会員同士のネットワーク形成を支える土台を確かなものにしていきます。
 2026年は、この“信頼の回路”の機能強化と、持続可能な学会運営の基盤整備を重点課題として掲げ、以下のような具体的な取り組みを進めてまいります:

  • 財政健全化と透明性の高い運営体制の構築
  • 学術誌の質保証と継続性の確保(JJNS編集長の国際公募、編集リスクマネジメント体制の本格運用など)
  • 論文表彰制度の見直し
  • 研究助成に関する審査基準の明確化
  • 会員資格制度の再整理
  • 委員会活動の効率化
  • 多様な立場・世代が交流する仕組みの実装
  • 気候変動や健康格差など社会課題への科学的貢献

 さらに、学術集会大会長とも緊密に連携し、こうした重点課題への取り組みが、学会活動を通じて会員の皆さまに可視化されるような形で発信できるよう努めてまいります。
 「問いを立てる自由」「議論する自由」「批判と再構築の自由」は、看護科学における知の創出と継承の根幹です。それらの自由を守り育てるために、皆さまとともに、確かな土台を築いてまいりたいと考えております。
 本年もどうぞ、温かく、そして率直なお力添えを賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

2026年2月吉日
公益社団法人日本看護科学学会 理事長
酒井 郁子